最近、中学校では一クラスに一人は不登校の生徒がいるとまで言われる程、不登校が多くなっている。従って各地の内観研修所でも不登校の解決を目的として来所される方も多いようである。不登校と言っても多種多様で、学校に行きたくない理由がはっきりしている場合もあれば、その原因が何なのか本人にもはっきりとは分からないというケースも多いようであるがいずれにしても学校に行けないということは、本人はもとより、両親にとっては大きな悩みになっている。勿論、不登校の原因をなくして再登校できるようになればよいのであるが、実際にはなかなかそうすっきり解決することは少ないようである。内観をしたことが再登校につながったかどうかというような調査をしていないので、効果については統計的な報告はできないが、それでも、再登校をはじめたとか、学校には戻れなかったが、本人に意欲が出で現在自分の好きな仕事に就くための準備をはじめたというような報告を受けることも少なからずある。
面接をさせて頂いていると、内観というのは、悩みのもととなっている問題を解決するためというより、内観創始者の吉本伊信が言ったように「どんな逆境にあっても幸せだと思える心になれる」のが内観の目指すところであり、そういう心境に近づけるようになれるのが内観であると思える。例えば、生徒本人が内観した場合、自分は母や父の愛情を受けて大切に育てられたのだということに気付くことで、両親への不信感や不安が少なくなり、更には自分はもとより回りを客観的に、また、理性的に見られるようにもなって情緒が安定していくようである。親が内観した場合、自分自身がどういう価値観で生きていたのか、また、親として子供に対しての自分はどうであったのか等々、日常生活では落ち着いて考えてみることができなかった事を、内観という場でじっくり考えることでもたらされる気付きは大きい。そして子供への理解が増すことで内観後の子供へのかかわりに変化が表われ、それによって親子関係が改善され、更には不登校を悩みの種としてみるだけではなく、それを通して自分や子供の人生をしっかり考えて行けるようになるケースも多い。
内観を終えた親が「子供が不登校になってくれたおかげで親も子も内観でき、今では不登校をしてくれた子供に感謝したいほどです」とまで言われることも少なくなく、親子共々内観による心の成長を喜んでおられることが分かる。不登校に悩んでおられる方には是非一度内観を体験して頂きたいと思っている。 |